コメンテーターなどとしても活躍する実業家・経沢香保子さん。大学卒業後、リクルートや楽天を経て2000年にマーケティング会社「トレンダーズ株式会社」を設立しました。同社は2012年、東証マザーズに上場。経沢さんは当時、最年少上場女性社長として脚光を浴びました。現在はインターネットを使い、ベビーシッターの仲介サポートなどを事業とする株式会社カラーズ（現株式会社キッズライン）を立ち上げ、女性が輝くためのサービスを提供しています。様々な経営者と出会ってきた経沢さんは、人生の大事な選択の時に「ゴルフの場」があったと話します。
ゴルフを始めたのは20代前半。当時の会社の社長に誘われたのがきっかけでした。「女性でゴルフができると仕事の強みになる」と言われました。たしかに、女性でゴルフをする人がそんなにいなかったので重宝されましたね。とてもありがたかったです。
ベストスコアは100、アベレージは110〜115くらい。100を切りたくて、スクールにも通って練習したけどなかなか上手くならなかった（笑）。まっすぐは飛ぶんですが、距離が出せなくてそれがコンプレックスです。でも、私は楽しければいいかなって思っています。
起業してから色んな人からゴルフに誘われるようになり、ゴルフが仕事みたいな時期もありました。トレンダーズ時代には週2回くらいゴルフ場に行っていたことも。もちろん、ちゃんと仕事もしてましたよ（笑）。
緑に囲まれたコースは単純に気持ちがいいですよね。ピクニックに来ているようで、いい気分転換ができます。お気に入りのゴルフ場は、千葉県袖ヶ浦市の「カメリアヒルズカントリークラブ」。私は時間貧乏症なので、移動時間を短縮したい。アクセスが良いところが好き（笑）。カメリアなら自宅から1時間で行けるんです。
普段話せないような人とじっくり会話できることもゴルフの魅力です。例えば飲み会だと、お酒も入ってゆっくり話せないこともしばしば。ゴルフは移動中や昼食など、一緒になって深い話をする時間がたくさんあります。ゴルフには人間性も出るので、気遣いだったり俊敏さだったり、一緒にプレーしている人の色んなことがわかるんです。
大きな契約の話は、よくゴルフ場でしていました。トレンダーズが上場を控えていた時も、株式会社サイバーエージェントの藤田晋社長方とゴルフに行って。そこで出資の話も決まったんです。今思えばゴルフを通じて私自身をよく知っていただけたのは大きかったかもしれません（笑）。とにかくこの日、私はゴルフで人生を救われたなと思っていますよ！
藤田さんとは帰りの車にご一緒させていただきました。普段は忙しくて月に1度、5分10分テーブルで話せるくらいの方と、こんなにもゆっくりお話ができる場を作ることができました。
経営者として心がけていることは、常に冷静さを失わないこと。平常心でいることが大切だと思います。例えば仕事でミスをして引きずってしまったら悪いことは連鎖してしまいます。特に経営者がそんな状態だと、社員はどう動けばよいかわからない。困惑してしまいますよね。
これはゴルフでも言えること。一打一打を大事にして、失敗しても毎回初心に戻る。この繰り返しが成功につながると思っています。そういった冷静さや忍耐力は、ゴルフを通じて身についた部分もあったと感じますね。
人生っていつも右か左か自分が選択をしているのだと思います。楽な方に流れてしまいそうな時でも、成功する人は常に平常心で判断できるし、トラブルも立て直すことができる。バンカーに入ったり、林の中に入れてしまったり。そういう時いかに冷静に立て直せるか。ゴルフと経営って本当に似ていると思います。
